世界は今、転換点を迎えています。世界経済に大きな変化をもたらしうる重要な構造的進展として、我々は5つのDを定義しています。
Deglobalization 脱グローバル化
Digitization デジタル化
Decarbonization 脱炭素化
Destabilization of the geopolitical order 地政学的秩序の不安定化
Demographic shifts 人口動態の変化
これらの構造変化の中で、「脱グローバル化」が金融市場に大きな影響を与えると予想されます。グローバル化の部分的な後退が、制約のない自由貿易から最適な貿易へと導くのであれば、経済と産業の多様性がより強まり、長期的には経済成長と安定をもたらす可能性があると考えています。
国内生産の拡大とサプライチェーンのローカル化への移行は、短中期的に価格を上昇させる可能性がありますが、 労働力と技術の共有と蓄積がさらなるイノベーションを促進させ、相乗効果をもたらす可能性もあります。
もう 1 つの潜在的な利点は、世界的な所得格差のレベルが部分的に縮小することです。労働力のオートメーションがなくなるわけではありませんが、サプライチェーンのグローバル化が後退することで、国内労働力の需要が高まり、生活水準がより広範に向上し、それに対応して経済成長が促進される可能性があります。
ポートフォリオの一部にディフェンシブな銘柄(景気変動の影響を受けにくく業績が安定している銘柄)を組み入れる必要性は変わりませんが、このような環境下、組み入れ手法を再考する時が来ているのかもしれません。
アクティブ運用、さらに様々な資産を組み合わせたポートフォリオ構築のアプローチが、投資成果の改善に役立つと考えています。