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MARKET KNOW-HOW 
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2022年7月

MARKET KNOW-HOW | 2022年7月

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン


Market Know-How 2022年7月

現在、中央銀行による金融政策とインフレが過去数十年間見られなかった2つの主役となっています。多くの予想外の出来事がありましたが、労働市場のひっ迫、サプライチェーンの変化、地政学的な緊張もあり、インフレが現在、最注目のテーマになっています。米国では、FRB(米連邦準備制度理事会)が物価上昇圧力を抑えるために金融政策の引き締めに乗り出しています。他の国・地域の主要中央銀行も、インフレを「キャッチ」する準備をしていますが、その政策は米国とは異なる道筋を辿ろうとしています。

 

「正常」への回帰は、継続的な市場ボラティリティを招くだけではなく、特に2022年前半にバリュエーションが低下したことから、投資の機会を拡大する可能性があると考えています。市場は現在、長期投資を行う投資家に対してより魅力的な価値を提供しています。

今回のMarket Know-Howでは、以下を中心に、投資家が経済の正常化をどのように乗り切ることができるかについて取り上げます。

 

  • 旅程ではなく、目的地に目を向けること。まだ不確実性が続く可能性はあるものの、ファンダメンタルズの強さがさまざまな市場での投資機会を提供。
  • 創造的破壊の加速に向けたポジショニングが必要。アルファは、個別銘柄や厳選投資、グローバルなポートフォリオで発掘することが可能。
  • 不規則なボラティリティを乗り切るためにインカムをより重視すること。
  • 独自のリターン源泉を活用し、集中リスクを削減するために、オルタナティブ投資にポートフォリオを分散すること。

マクロおよび市場の見通し


世界の経済成長

インフレが高止まりする環境下で、成長に関しては下振れリスクの方が大きいと考えています。しかし、成長の減速は、先進国と新興国両方のより持続可能な経済拡大への動きを反映していると考えています。世界を不確実性が覆う中では、流動性のある銀行システム、民間セクターの健全な財務、強い消費者需要、限定的な財政不均衡が、安定的な経済の源泉となります。

出所:ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント
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見通し
地政学:ショックは一時的

政治的ノイズ、地政学ショック、リセッション等による下落

地政学リスクは今年最も懸念される問題であり、FRBの地政学リスク指数はロシア・ウクライナ問題を背景に急上昇しています。しかし、このような地政学リスクが一様に市場のボラティリティを高めるとは考えていません。歴史的にグローバル株式市場は、このような予期せぬ地政学ショック時に、リセッション時よりも底堅く推移してきました。


出所:ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント


対策

地政学ショック時の下落緩和効果

現在の地政学リスクがリセッションを引き起こすとは予想していませんが、広範な潜在的波及効果が市場のボラティリティを急速に高める可能性があります。投資家は、コア債券、リキッド・オルタナティブ、インカム戦略、実物資産などを通じてポートフォリオを分散しながら投資を継続することを検討してもよいでしょう。


出所:ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

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見通し
バリュエーション: 高いが、割高ではない

相対的に高い価格

株式は近年高値で取引されてきましたが、その適正な価値が購入時にわかっていることはまれです。過去数十年間、税率が低下し、グローバル化が進み、債券の実質利回りが低下する中、投資家は予想収益に対してより大きなプレミアムを払ってきました。今後事業環境は変化する可能性がありますが、バリュエーションやそれを左右する要因は、平均回帰するものではなく変化に適応するものであるため、S&P500指数のCAPEレシオの中央値と絶対値は高止まりすると考えています。


出所:ロバート・シラー、ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント


対策

マルチプルの縮小はマイナス・リターンを意味しない

一方、マルチプルが縮小する期間も来ると予想していますが、それは価格の下落ではなく利益の向上から生じると予想しており、過去そのような期間では株式はプラスのリターンを出してきました。


出所:ロバート・シラー、ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

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見通し
金利:峠を越えた

デュレーションの短期化を維持することによる利回りの利点

金利は近年例をみないペースで上昇しています。しかし、市場がFRBの金融政策見通しとそのインフレとの戦いを優先する姿勢を受け入れる中で、最悪の時期は既に過ぎたと考えています。足元の金利上昇によって、イールドカーブの長短部分いずれも再び魅力的な水準となり、高い利回り水準とヘッジ効果を取り戻しつつあります。


出所:ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント


対策

FRBの金融政策の影響

長期の投資家にとって、デュレーション・リスクは、クレジットからの魅力的なクーポンによってある程度相殺できると考えています。債券以外のリスク資産についても、経済の拡大が続いて民間セクターの健全な財務が維持される限り、引き締めサイクルにおいても、プラスのリターンを獲得できると考えています。


出所:ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

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見通し
インフレ:高インフレ、沈静化の時

インフレは「過熱」から「沈静化」へ

世界的に物価上昇圧力が高まっています。インフレ率がこのように突然世界中で同時に上昇することは、過去数十年間なかったことです。インフレの原因は国・地域によって異なりますが、世界的なサプライチェーン問題やエネルギー供給の混乱など、一部の要因が持続することでおそらくインフレは当面高止まりするでしょう。


出所:ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント


対策

異なるインフレ環境における資産クラスのパフォーマンス

しかし、ベース効果や需給不均衡の正常化が方向性を変える可能性もあり、その場合は資産価格にも影響がおよびます。現在の状況は過去のインフレ時とは少し違うものの、歴史的にはインフレが高い水準から沈静化するとき、株式と債券いずれもプラスの実質リターンに結びついてきました。


出所:ブルームバーグ、シラー、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

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見通し
アルファ:IDEAs:イノベート、ディスラプト、イネーブル、アダプト

将来の潜在的富の創造者

GDP成長率の減速や金利の上昇、利益率のピークは新たな市場サイクルでの株式リターンが低下する可能性を示唆しています。今後、アルファを創出する企業はイノベート、ディスラプト、イネーブル、アダプトする企業であり、幅広い地域に跨ると考えています。特に富の創造の機会が少ない世界では、投資家がこうした企業を発掘するにあたって慎重に行動する必要があると考えています。


出所:ブルームバーグ、ファクトセット、ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント


対策

過去の富の創造者

過去20年間を振り返ると、ラッセル3000構成企業のわずか27%が時価総額増加分の140%を占め、S&P500構成企業のうち米国債をアウトパフォームしたのは48%にとどまります。今後の指針として、非米国株式およびリキッド・オルタナティブのアクティブ運用が新たなサイクルを上手く乗り切る手段になり得ると考えます。


出所:ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

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