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MARKET KNOW-HOW 市場見通しと運用に関する見解
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2023年1月

MARKET KNOW-HOW 市場見通しと運用に関する見解 | 2023年1月

ポイント・ブレイク


世界では、ウクライナでの軍事紛争や中国による領土問題などの複雑な地政学的動向や、社会において二極化の定着といった問題がある中、インフレが引き続き独占的な問題となっています。2023年もインフレの動向とそれに対する各中央銀行の対応が主要なテーマになると予想します。しかし、サーフィンで例えるなら、波が割れるのを待つ間に、投資家は波に乗ることを学ぶ必要があります。

インフレと金融政策は相互に作用するため、金融引き締めの当然の結果としてリセッション(景気後退)入りすると考える人が多くいます。確かに過去を振り返るとそのような見通しになるかもしれませんが、現在の健全な金融システムや、強い雇用市場、強固な民間セクターを考えると、米国のリセッション入りが必ずしも既定路線とはいえません。ユーロ圏と英国は外部からのエネルギー供給の影響を受けやすく、すでに進行中ではないとしても、リセッション入りの可能性は高くなっています。

高いインフレに適応するには痛みを伴います。伝統的な株式と債券が6:4のポートフォリオは、2022年に歴史的な低リターンを記録しました1。しかし、投資の機会はリセットされ、債券投資が再び分散効果とキャッシュフローに重要な役割を果たすことになると当社は考えています。

今回のMarket Know-Howでは、以下について考察することで、投資家が継続的なインフレ環境をどのように乗り切ることができるかについて取り上げます。

  • 質や収益性、固有のポジショニングに焦点を当て、資産間の新たな優位性を反映するために、株式に対するエクスポージャーを調整。債券については、より優良な銘柄にシフトし、より高いインカム収益の恩恵を受ける。
  • エネルギーの変革によって生み出される複数資産における広範囲にわたる投資機会に対応するため、ポートフォリオを調整。
  • ポートフォリオをオルタナティブ投資に分散し、独自のリターン源泉を獲得。

マクロおよび市場の見通し


世界の経済成長

グローバル経済は2023年、主要中央銀行が引き続き需要を正常化することでインフレを抑制しようとするため、おそらくトレンドを下回る成長となるでしょう。欧州では、エネルギー価格上昇が引き起こす痛みを緩和するための財政緩和と、金融引き締めが綱引き状態であり、それがおそらくリセッションの期間と深刻さを決めるでしょう。米国については、インフレを低下させるには、労働需要を適正化し、賃金の上昇を抑える必要があります。進展は見られるものの、過熱した経済に対処するためには、金融環境の引き締めが必要となるでしょう。

出所:ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント
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見通し
コア債券:天空の利回り

TINAからTARAへ

2022年初以降の金利急騰の1つの結果として、利回りに再び注目が集まりました。TINA「株式の他に代替がない( There Is No Alternative)」環境からTARA「株式の代替となる投資対象が浮上(There Are Reasonable Alternatives)」、すなわち投資適格社債などの優良な債券資産が存在する環境に移行しています。実際、グローバル債券総合指数の利回りは、2009年以来初めてMSCIワールド指数の配当利回りを上回りました。このような新しい環境では、投資家は、ポートフォリオのリスクを大きく上昇させることなく、無リスク金利に対する魅力的な投資適格社債のスプレッドを捉えることができるでしょう。


出所:ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント


対策
コア債券:アンコール

当時と現在

バリュエーションは今年低下していますが、タカ派的な政策がピークに向かうことで、特に景気後退リスクが上昇するため、大部分の金融資産は困難に直面するでしょう。そのため、投資家はディフェンシブで優良な債券に移行することにより、利益を得る可能性があると見ています。2023年には金利ボラティリティがピークをつけ、インフレから経済成長へと関心が移ることで、コア債券が再びショックを軽減する役割を担う可能性があります。当社は、バランスシートの質を引き続き優先し、米国と欧州両方でファンダメンタルズの強固さを維持すると見込まれる、投資適格社債に注目します。加えて、新規発行が限られていることが、今後の需給環境を下支える可能性があるとみています。


出所:ブルームバーグ、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

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見通し
グリーンアセット:欧州エネルギー危機の解決へ

今後の欧州エネルギー市場では再生可能エネルギーがカギに

足元の状況は単なる気候変動の問題ではなく、エネルギー安全保障や経済の強靭性に関する問題にもなっており、ロシア・ウクライナ間の紛争は欧州のより持続可能なエネルギー・システムへの移行を加速させると考えています。実際、英国とユーロ圏いずれも、エネルギー危機の影響を受けて、今後数四半期で景気後退入りすると予想しています。当社の考えでは、欧州の現在のエネルギー・システムは、(1) エネルギー供給の安定性、(2) コストと高い輸入依存度、(3) 炭素強度、の3点において持続可能なものではありません。私たちは、再生可能エネルギーが欧州のエネルギー移行の進行において中心的な役目を果たすと考えています。


出所:ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント


対策
グリーンアセット:グリーン・インフラへの投資

投資機会の例

欧州(欧州連合(EU)27ヵ国および英国)のエネルギー変革に際して、2050年までに累積で10兆ユーロのインフラ投資が必要になると推定されます。このために、年平均で3,500億ユーロのグリーン・インフラへの投資機会が生み出され、2030年代のピークには地域のGDPの2%超を占めるまでになるでしょう。この移行は、投資家に株式、債券、リアルアセットなど広範な投資機会をもたらす可能性があります。投資家は、欧州のエネルギー・システムの再設計のために必要なインフラの建設に直接投資したり、インフラの建設に使用されるコモディティを通じて間接的に投資することで、そのような投資機会にアクセスできます。さらに投資家は、そのために発行されたグリーンボンドや株式に投資することによって、これらプロジェクトの資金調達を支援することが可能となります。


出所:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

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見通し
プライベート・アセット:変化する力学

投資機会を公開市場以外に拡大

(1) 資金調達の機会が増加し、(2) 新たに義務付けられた報告要件により上場コストが増加したため、現在、より長く非公開のままでいる企業が増えています。過去20年間で、プライベート・エクイティが支援する企業の数は大幅に増加しました。新興企業は、上場する前に非公開資本を使って事業を発展させ、より長く非公開のままでいることを選択しています。以前はIPO(新規株式公開)後に生み出されていた価値の多くが、現在は非公開のままで生み出されています。このような変化に気付かない投資家は、リターンを得る魅力的な機会を逃す可能性があります。


出所:世界銀行、マッキンゼー、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント


対策
プライベート・アセット:分散を維持

プライベート・アセットの追加はポートフォリオのリスク調整後リターンを高める

今後低リターン環境になると予想される中で投資家がリターン源泉の分散を求めていることから、プライベート・アセットに引き続き関心が集まっています。また、インフレ率が構造的に高まり、マクロ上の不確実性が高まる可能性があるため、これからの投資は前回サイクルのときよりもずっと混乱する可能性があります。そのため、伝統的な株式と債券が6:4のポートフォリオにプライベート・アセットを加えることは、全体のリスクを引き下げつつ予想リターンを高めることができると考えます。実際、プライベート・アセットは、上場資産に対してより高いリターンとリスクの軽減を提供する可能性がある、オルタナティブ・ベータ要因とアルファ源泉を提供すると考えます。


出所:ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

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MARKET KNOW-HOW 2023年1月

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